北京花めぐり

北京の街は多数の湖と自然、花、文化遺産の宝庫・北京の街に四季の花が咲きます

　今日は北京市に咲く美しい花を写真で紹介いたします。北京市は中華人民共和国の首都で、紫禁城をはじめ多くの世界遺産に恵まれた街です。また北京の街を花散歩すると、燕山山脈の伏流水を貯めた多くの湖や自然豊かな風景に驚かされます。多数の文化財と自然豊かな湖に囲まれた北京の街に咲く花々を、写真、地図、交通アクセス、北京花散歩情報で案内いたします。

　北京市の4月下旬は、花盛りの季節です。4月の下旬に北京市西城区にある恭王府を花散歩していると、シモクレンの紫色の美しい花が1776年に建築された恭王府の色鮮やかな建築物を背景に咲いていました（撮影4月下旬）。シモクレンは中国が原産の美しい花です。恭王府に咲くシモクレンの花は北京の街に春を告げます。

頤和園文昌院中庭に咲くキンモクセイ花写真（撮影9月下旬）

　北京市の9月下旬も気候が良く、花散歩に快適な季節です。9月下旬に北京海淀区にある頤和園文昌院の中庭を花散歩していると、モクセイOsmanthus fragransの花の良い香りがします（撮影9月下旬）。モクセイは中国原産の花で、中国では桂花と呼ばれ様々な用途で親しまれています。世界遺産である頤和園文昌院中庭に咲く、キンモクセイの花の香りは格別です。

植物名	北京の花　漢字北京花　英語 Flower of Beijin
気候	・北京市内はステップ気候（寒冷少雨）に属するが、冬季は非常に寒い・北京市郊外の山間部八達嶺（万里の長城）付近は亜寒帯、寒帯の気候
気温	－10℃～30℃（夏は暑く、冬は寒い）
特性	・気温差が大きく、湿度は小さい・街路樹や公園の花は、管理が行き届いている。・海外の植物品種を、積極的に取り入れている。・植物の価値が理解され、生薬、新品種開発など研究が盛んである。・日本では毒草のものも、薬草として研究され利用されている。
花期	春の花：モクレン、シモクレン、ライラック、レンギョウ、ヤナギの花、他初夏の花：モモ、リンゴ、ヒメリンゴ、カイドウ、ショカツサイ、ボタン、他夏の花：ハス、スイレン、サルスベリ、フヨウ、ムクゲ、ザクロ、他秋の花：キク、ダリア、ポインセチア、コスモス、サルビア、リンゴ実、クリ実、他
花色	青色花：ライラック、ブルーサルビア、ヤグルマギク、スイレン、他赤色花：モモ、ボタン、ハス、ザクロ、ダリア、サルビア、バラ、ボケ、他白色花：ハクモクレン、ライラック、フヨウ、リンゴ、ハス、ムクゲ、他黄色花：レンギョウ、キンシバイ、ビョウヤナギ、キク、ヤマブキ、他紫色花：シモクレン、ライラック、ラベンダー、アザミ、サルスベリ、他
特徴	花が大きく、花色が鮮やかなものが多い、赤色の花が好まれる
観察地	北海公園、紫禁城御花園、景山公園、頤和園、円明園、恭王府、八達嶺、他
特徴	・固有種の他、西域、山間部からきた植物、・西洋の植物、古代から日本原産の植物も輸入
利用	食用、染色、鑑賞用、庭園、生薬、薬草、医薬品、嗜好品、他
科名	キク科、マメ科、バラ科、ツツジ科、アヤメ科、スイレン科、フヨウ科、他

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紫禁城御花園に咲く白色のボタンの花写真（撮影5月上旬）

　北京市の5月上旬は、百花繚乱の季節です。北京の街角各所に桃花、ヒメリンゴ、バラなどの花が咲き誇ります。紫禁城（故宮博物館）の一番奥にある紫禁城御花園を花散歩していると、白色のボタンの花が欽安殿を背景に咲いていました（撮影5月上旬）。ボタンは中国原産の花で、高貴で気品のある花として知られています。紫禁城御花園に咲く白色のボタンの花は、とても豪華に見えます。

北海公園の湖畔に咲くレンギョウの花写真（撮影4月下旬）

　北京市内を花散歩していると、意外に湖や水路が多いことに驚かされます。面積が70万㎡の広さを持つ北海公園の北海湖畔を花散歩していると、黄色いレンギョウの花が北海を背景に咲いていました。レンギョウ（連翹）は、中国原産の花で黄色く明るい花です。北海公園の湖畔に咲くレンギョウの花は、明るい春の日を浴びて黄金色に輝きます。

　春から初夏に北京の街角に咲く、ヒメリンゴの花は見事です。ヒメリンゴ（姫林檎）はアジア原産の植物で花も美しいですが、秋に稔る小さなリンゴの実も可愛らしいです。北京市の古い文化街の瑠璃廠を花散歩していると、薄紅色のヒメリンゴの花が古い古書店を背景に咲いていました（撮影4月下旬）。瑠璃廠古文化街に咲くヒメリンゴの花は、北京に花の季節を告げます。

　北京ではモモの花は、特別な存在の様です。北京の冬は厳しく、2月頃は-20℃位まで気温が下がります。春になりモモ（桃花）の花が咲く頃北京市民は外に出て、お茶やカード遊びを楽しみます。春に世界遺産である天壇公園の回廊を花散歩していると、薄紅色のモモの花が古い回廊を背景に咲いていました（撮影4月下旬）。天壇公園に咲くモモの花はまだ蕾が多く、これからが楽しみです。

円明園綺春園鑑碧亭に咲くバラの花写真（撮影5月上旬）

　北京市郊外海淀区にある円明園は、清朝代に築かれた中国皇帝の夏の宮殿です。円明園は世界遺産に登録されていますが、広さは3.5㎢もの広大な施設です。初夏に円明園綺春園を花散歩していると、池の畔に建つ鑑碧亭のそばに美しいバラの花が咲いていました（撮影5月上旬）。初夏の円明園綺春園鑑碧亭に咲く、バラの花も見事です。

　秋の北京市は、キク（菊花）の花が綺麗です。秋になると北京市内の各所に、菊人形や菊花のパネルなどが展示されます。中国では菊花は観賞、文学、薬用、食用、菊茶など様々に利用されています。秋に紫禁城に近い景山公園を花散歩しているとキクの花で飾られた鳳凰のパネルが、綺望楼と景山公園頂上に見える万春亭を背景に飾られていました。

中国国家博物館近くに咲くライラックの花写真（撮影4月下旬）

　北京市は中国北東部にある都市なので、冬は北海道のような気候です。北京市に春を告げる花の一つに、ライラックがあげられます。北京市内には、ライラックの並木道が多くあります。春に中国国家博物館近くを花散歩していると、薄紫色のライラックの花が見頃でした（撮影4月下旬）。中国国家博物館近くに咲くライラックの花は、北京市の街路を飾ります。

王府井天主堂前に咲くペチュニアの花写真（撮影5月上旬）

　北京市の繁華街の一つに、紫禁城に近い王府井大街があります。初夏に繁華街の王府井大街の通りを花散歩していると、王府井天主堂前に薄紅色のペチュニアの花がロマネスク様式の教会を背景に咲いていました（撮影5月上旬）。王府井天主堂前に咲くペチュニアの花も、爽やかで涼しげです

北海公園九龍壁前に咲くライラックの花写真（撮影4月下旬）

　中国には皇帝の権威を象徴する、九龍壁がいくつかあります。3大九龍壁（北京紫禁城九龍壁、北京北海公園九龍壁、山西省大同九龍壁）の一つである北京北海公園九龍壁前を花散歩していると、薄紫色のライラックの花が九龍壁前に咲いていました（撮影4月下旬）。北海公園九龍壁前に咲くライラックの花は素晴らしい九龍壁を飾ります。

　世界遺産に登録された頤和園は、290haもの広大な面積の文化財です。頤和園は皇帝の夏の宮殿として造られた施設で、北京市の郊外にあります。頤和園内には長廊と呼ばれる728mもの長さの長い廊下があります。秋に頤和園長廊を花散歩していると、長廊前に菊花が飾られていました（撮影9月下旬）。頤和園長廊前に咲く菊花は、北京市に秋の訪れを告げます。

　紫禁城天安門前に咲く秋の花（菊、サルビア、バラ、ブーゲンビリア）などのもきれい。